第86号(2008年2月号)岩国市長選 米兵による沖縄少女暴行糾弾!

米軍再編に抗する沖縄と全国を結び、
米軍基地撤去・安保条約破棄の闘いを!
岩国市民励ます、名護市民投票10周年の集い

 2月10日、米空母艦載機の移転問題が争点となった出直し市長選は、移転反対、国策に対する地方自治と民主主義を掲げた井原勝介前市長の惜敗。移転容認派が擁立した自民党の福田良彦氏が新市長となった。当日有権者数は12万1771人、投票率は76・26%(前回65,09%)、得票は、井原45,299票、福田47,081票で1782票の僅差、得票率にすれば49%対51%。
 日米両政府が合意した米軍再編で極東最大規模の米軍を押し付けられた岩国市は、井原市長が移転反対を表明し、06年3月の住民投票で約90%の住民が反対の意思表明をし、周辺町村との合併後の市長選でも井原氏が圧勝してきた。ところが、先に逮捕された守屋前防衛省事務次官が、建設中の市庁舎の建設費35億円を全額カットする暴挙に出て、これに呼応して岩国市議会で多数をしめる自公誘致勢力が市長提案の代替え予算案(市起債による資金捻出の)を4度に渡って否決した。井原氏は辞任に追い込まれ、出直し市長選となったのである。

 福田氏の勝利は、何故か。井原氏が「艦載機受け入れへの民意は変わっていないが、財政への不安をかきたてられてしまった」と述べているように、投票日の出口調査でも「移転反対」が48%で「賛成」18%の3倍を占めていた圧倒的多数の移転反対住民の意思を、国の補助金・交付金カットの「アメとムチ」、「(井原氏が当選すると)夕張市のように倒産するぞ」と脅し、生活不安を煽り、切り崩した結果にある。特に格差と貧困、不景気の中で、「飯(めし)が食えない」若い層が福田陣営に流れたといわれる問題は、今後の教訓とせねばならない。
 しかし日米両政府が暴挙の限りとカネで基地を押し付ける国家的重圧に屈せず、49%の岩国市民が「ノ―」を突きつけたその民意の政治意識の高さと大健闘に、心からの敬意を表したい。岩国と同じように、国の「アメとムチ」にさらされている沖縄・名護市では、かって政府・防衛施設庁の露骨な介入・利益誘導にもかかわらず辺野古への代替基地反対の意志を表明した名護市民投票が、為政者によってその民意を踏みにじられた。しかし名護市民は、市民投票以来10年、代替新基地を阻止し続けている。岩国における闘いは、これからなのだ。
 その名護において、2月9日、名護市民投票10周年を記念して、米軍再編と闘う岩国市民の映画『消えた鎮守の森』上映と講演の集いが、ヘリ基地反対協議会と沖縄平和市民連絡会の主催で開かれた。

 集いの冒頭、ヘリ基地反対協の安次富代表委員が次のように挨拶された。――名護市民投票で「海上基地ノ―」の意志を表明して10年、新基地建設を止めてきた。辺野古・高江の闘いは、米軍再編・沖縄米軍基地の再編・強化の焦点となっている。2014年に新基地を造り、日米で共同使用の道を目論む日米両政府には、時間がなく焦っている。福田政府が名護市への「再編交付金」のアメをもって調査の早期着手を求めている最近の環境アセス法の方法書について、8日に開かれた沖縄県環境影響評価審査会で、学者など委員より書き直しは不十分で、複数年のジュゴン調査実施を求め、今後もアセスに反対していく表明がなされている。この集いに井原市長の講演を予定したが、出直し選挙のためにメッセージとなった、米軍再編に対して岩国、沖縄から「ノ―」の声を挙げ、名護にては新基地建設を阻止し続けて闘っていこう―と。

 集いでは、この映画の西山監督の挨拶とともに、「ジュゴン訴訟」(沖縄ジュゴンと地域住民、沖縄、日本、米国の6団体が米国国防省と国防長官を相手に起こした)について、1月24日、北カルフォルニア連邦地方裁判所が歴史的な「原告勝訴」の判決を下したことが報告された。この判決は、普天間代替施設のための海上基地建設によって、ジュゴンの生息に悪い影響を与えないようにするべきで、3ヶ月以内にその評価のための文書を提出するようにアメリカ政府に求めたものである。新基地建設を阻止する「武器」となる画期的裁判である、と。また、民意を守ろうとする市長が、国家により兵糧攻めに合い、辞任に追い込まれ、市民グル―プが市庁舎建設費を市民の寄付で集めようとしている岩国へ、カンパも呼びかけられた。かって、米軍占領政策に反対する瀬長亀次郎市長が米政府に予算を止められた時に、那覇市民は進んで納税や寄付をして、市長と自治を守った闘いの伝統に習って応えたものだ。

 横須賀でも原子力空母の配備を阻止するための住民投票成立を目指す署名運動が3月より始まる。米ブッシュ政権に追随して、米軍再編・新基地を強制する福田自公政権に対して、「ノ―」を堅持し闘う沖縄・岩国・神奈川・小樽を結び、米軍再編反対、日米安保条約を破棄する闘いを発展させよう!(11日記、A)


沖縄米兵の少女への凶悪・非道の暴行糾弾!
派 沖縄県警沖縄署は、11日未明、中学3年の少女に暴行したとして、強姦容疑で在沖米海兵隊キャンプコ−トニ−所属の二等軍曹タイロン・ハドナット容疑者を逮捕・送検しました。未来ある少女に対する米兵による凶悪な性暴力事件に、怒りに身の震える思いで、こうした犯罪をくりかえす米軍に強く抗議します。
 福田首相、防衛、外務大臣が「遺憾の意」を、シ−ファ駐日大使、在日米軍高官が謝罪し「綱紀粛正と教育プログラム見直し」を表明しています。1995年の米兵による痛ましい少女暴行事件が起こったとき、米軍は犯罪をくりかえさない、そのために綱紀粛正と隊員の教育に取り組むと約束したのです。今回の事件は、最早、米軍基地がある限り、こうした犯罪はなくならないということを、はっきりとしめしています。
 そもそも沖縄の海兵隊は、米帝国のアフガン・イラク侵略戦争で罪のない無辜の民衆殺戮の最前線を担う殺人部隊です。その他民族民衆の虐殺・生活破壊の軍事行動とそのための訓練そのものが、米兵の人間性を破壊し、人を人と思わない「戦争機械」へと変えているのです。海兵隊のみならず、軍隊と軍人とはそうした存在であることは、沖縄戦における日本軍の「集団自決」の強制にも、証明されているところです。
 だからこそ、米兵による性暴力、基地犯罪の元凶である米軍基地の撤去、日米安保条約による軍事同盟を破棄することこそ、根本的な解決の道だと、わたしたちは考えます。
 その意味で、口先では「遺憾だ」をくり返しながら、実際には米政府の顔色を伺い、「思いやり予算」で米軍を支え、「アメとムチ」による米軍再編で沖縄をはじめ全国の米軍基地を強化する福田自公政権とその基地誘致勢力こそが、こうした凶悪・非道な犯罪を野放しにし、拡大する張本人です。
 沖縄民衆に、基地ゆえの苦しみを長きにわたって強いている、自らの闘いの不十分さに思いを致し、わたしたちは、抗議の声を挙げます。福田自公政権を包囲し、日米地位協定の見直し・全ての海兵隊の撤退を、そして米軍基地撤去・日米安保条約破棄へ、行動を起こそう!

 第86号(2008年2月号)岩国市長選 米兵による沖縄少女暴行糾弾!