第84号(2007年11月号)新テロ特措法案を許すな! 沖縄代表団が撤回要請 地方から 沖縄・名護 辺野古通信

米軍の侵略戦争に参加する新テロ特措法案の衆院強行を許すな!

藤尾靖之
(自衛官人権ホットライン、元反戦自衛官)

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 憲法違反のテロ特措法が11月1日期限切れとなり、主として防衛省自身の不手際と不祥事のため、インド洋沖での給油活動が”撤退”に追い込まれてしまった。
  アメリカと日本の支配層に追い立てられた福田自公政権は、恥も外聞もなく、翌2日には民主党に密室党首会談で、「大連立」を持ちかけ、民主党小沢党首の持論である国連決議あればという考えを「丸呑み」し、特措法延長を狙うが失敗した。
 年金大増税、C型肝炎問題などなど国民にとって深刻な問題が山積なのに、日米安保問題は何事にも優先するという自民党政治-福田政権の「すっぴん」が露出したといえる。

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 そもそもの問題の本質は、テロ対策法に基づいて派兵された海自艦隊の補給艦「ときわ」が、2003年2月25日に米補給艦「ペコス」に80万ガロン、駆逐艦「ポール・ハミルトン」に20万ガロン給油したが、同日「ペコス」は米空母「キティホーク」に67.5万ガロンを給油しており、この「キティホーク」は28日に対イラク侵略戦争に参加したところに現れている。
 さらにこの問題は「赤福」に負けず劣らず偽装にあふれている。
 そもそも「ペコス」を介して「キティホーク」に給油したこと自体が見え見えの偽装だが、給油量をさも少ないかのように「取り違え」、そのうそのデータを当時の防衛庁長官や官房長官が国会で答弁した。文民統制の歯止めが利かない体たらく、である。しかも隠蔽が暴露された後も「とわだ」の航海日誌が保存義務を無視して破棄されていたというミステリーな話までおまけについた。
 余談であるが、海上自衛隊は陸海空三自衛隊の中で最も「偽装」が悪質だ。対外的には、ミサイル駆逐艦(「きりさめ」など)、ミサイル巡洋艦(イージス艦)などと表示しているが、国内向けには一律「護衛艦」と言っている。砲兵部隊を「特科」部隊と表現している陸自でも、さすがに戦車を「護衛車」とは言っていない。
 海自艦隊が参加した米ブッシュの対テロ侵略戦争の一環である「不朽の自由作戦」への後方支援そのものが憲法違反の「集団的自衛権」の行使そのものであることにこの問題の本質がある。

 実態はどうか。
 インド洋に派兵された海自艦隊は米海軍第53任務群司令官の戦術指揮下に入っており、バーレーンの米海軍基地内の友軍調整センターに海自将校が駐在していたことはわかっている。任務群とは、米軍のたとえば第七艦隊の下に編成される実戦部隊のことであり、米軍司令官が命じたならば戦闘部隊への給油はおろか、自衛であれなんであれ戦闘参加も避けられない関係にある。こうしたなかでは、「キティホーク」への給油は、対テロ特措法下での派兵の当然の帰結である。
 だから、新テロ対策法案は、どのように言おうと、米軍の戦争に事実上無期限で参加するための法案である。

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 現在、「天皇」と呼ばれるほど権勢を誇った守屋前事務次官への国会証人喚問で暴かれる防衛省の軍事産業・商社との利権をめぐる癒着と腐敗。このことをはっきりさせずに、政府は、給油法案継続のために、なりふり構わぬ悪あがきを繰り返している。たとえばパキスタン海軍は、海自の高純度の燃料でないと給油できない等、もっともらしい口実だがひどいデタラメである。9月頃の記者会見で、吉川栄治海幕長は「日本の燃料でないとパキスタン海軍は動けないのか」と聞かれ、「それはないと思う」と否定している。しかも給油継続のための新テロ対策法案は、国会の承認を省略するとあり、自衛隊の軍事活動を文民統制できない、国民は軍事行動に口を出すな!というトンデモナイ法案である。絶対に廃案しなければならない。

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 他方で、この間、民主党の小沢一郎は、給油法案の本質面について、『世界』11月号で「正論」を言っている。「後方支援すなわち兵站線こそ、戦争の行方を決する最大の要素であり、その意味で後方支援は武力の行使と一体だと言うのは正しい認識です。」
 さすがは「大連立」による挙国一致内閣で、自衛隊派兵恒久法案を作りかねなかった人の発言だ。
 その民主党の小沢もまた同じ『世界』誌上で、現在の米軍の後方支援の新テロ法案には反対だが、憲法の平和原則をトンデモナイ解釈をもって、国連の活動であるならば武力行使を含めて合憲であり、民主党が政権をとれば、恒久派兵法案を成立させ、アフガンのISAF(国際治安支援部隊)、ダルフールPKOに参加すべきだとしている。
 戦争を知らない戦後の政治家はむやみやたらと戦争がしたいのだろう。
 ISAFは小沢が言うような国連軍では決してない。指揮権を握るのはNATO軍であり、現在は米軍大将が指揮官である。
 そして、断じて中立でもない、親欧米派の軍閥政権を守るため、東部の反欧米派パシュトーン人ゲリラ(タリバン等)と本当に戦争をしている。主力は1万4000人を出している米軍で、次に突出しているのは5500人の英軍、千人単位はNATO諸国がほとんどであり、たいがいの国は100人前後。アフガン全土に展開し毎週のように戦死者が出ている。通算で戦死者はすでに500人を超えているといわれる。
 今年3月にはアキレス作戦という5万人を動員した大作戦を展開したり、NATO軍機の空爆で無辜の民が殺されたりといったニュースが伝えられている。すでに隣国のパキスタンは、そのあおりで内戦状態に陥っている。
 小沢の論も、平和貢献論ではなく、「国益」を守るための戦争参加をしたいという方便に過ぎない。
 福田自公政権の給油継続のための新テロ法案を許さず、廃案にしよう!そして、民主党を巻き込んだ自衛隊派兵恒久化法案の策動にも断固反対しよう!


沖縄代表団が上京、政府・文科省に撤回要請
文科省は沖縄検定意見を撤回せよ
米軍再編-日米安保軍事同盟と闘おう
沖縄の声、闘いを全国・全県に波及させよう

 10月15、16日、「教科書検定を求める県民大会」に大結集した11万6000人県民の意志を受けた167名の沖縄代表団が上京、首相官邸や文科省、各政党への「撤回」の要請行動を行った。
 前日の14日夜には、「命どう宝ネットワーク」主催の「まよなかしんやさんの唄とトークの夕べ」も開かれ、ヤマトではわからない県民集会の熱気が伝えられた。
 15日午後、上京団の代表数人の首相官邸での要請行動に呼応して、上京団の名護・ヘリ基地反対協共同代表安次富さんら沖縄の運動の主だったリーダ―とともに、駆けつけた人々が合流して、警備の制圧をはね除けて、横断幕を拡げてサンシンを弾き歌い、「撤回せよ!」の声を挙げた。

星陵会館に700人余

 同日夜には、星陵会館にて、上京代表団を迎えて「教科書検定意見撤回を求める総決起集会」が開催された。集会は約700人に近い参加者であふれ、通路や2階に座り込んでも入りきれないほどの盛会。集会の主催者は、東京の沖縄県人会と今渦中の大江・岩波沖縄裁判を支援する「沖縄戦首都圏の会」で、壇上には民主党、社民党、共産党などと無所属の糸数慶子、川田龍平さんなど国会議員が勢ぞろいし、次々と発言。
 上江田千代さんが、「ひめゆり学徒の沖縄戦体験」の悲惨な経験を語り,教科書検定意見を強く批判し、続いて沖縄現地の沖教組大浜委員長や首都圏の撤回決議を挙げた自治体―三鷹・国立・小金井市などの自治体議員が次々と発言した。
 上京団の要請行動と政府の対応への思いは、この夜の山内徳信議員の「首相官邸の『県民の心を受け止める』と言う対応は口先だけだ。沖縄の声、闘いを全国・全県に波及させよう!」という迫力ある発言に表現されている。

修正でなく撤回を

 その後、記述を削除して合格をした教科書会社5社のうち2社が11月1日、文部科学省に対し、削除部分に関する訂正申請をした。他の教科書会社も、検定後の記述より(日本軍の)強制性を強める表現で申請する予定と報じられている。(11・2朝日朝刊)
 これまで、修正に応じないとした政府・文科省は、沖縄県民大会の怒りの前に、訂正申請による修正を容認する方向に転じたが、県民の求める撤回と記述復活要求には応じていない。
 政府・文科省は、この問題を教科書会社に押し付けず、そもそも教科書に政治介入して教科書検定意見を作らせた政治責任が自らにあることを明確にして謝罪し、検定意見の撤回と沖縄戦「集団自決」に日本軍の強制があった記述の復活を指導すべきである。

ブッシュ・福田の米軍再編-日米安保軍事同盟と闘おう

 10月31日、ゲーツ米国防長官来日と11月中旬の福田首相訪米に合わせて、政府・防衛省は、在日米軍再編に伴う基地負担の代わりに支払う「再編交付金」の対象に、反対している名護や座間をはずした33市町村を指定し公表した。米軍再編促進のための「アメとムチ」による自治体への分断措置である。また、米軍普天間基地の移設をめぐる政府と沖縄の関係自治体との協議を10ヶ月ぶりに再開した。これら動きは、ブッシュ米政権の国防長官ゲーツが、現行の名護新基地建設の政府案を修正すれば米軍再編計画の見直しに発展しかねないと、そうなれば日米同盟関係に響くぞと、米国の「核の傘」の再保証の確認をたてに、福田政権を恫喝し、米軍再編のロードマップの順守を求め、急がせたことの現れである。
 山内議員のいう「沖縄の声、闘いを全国・全県に波及させよう」は、米軍再編の対象となる33市町村の日米両政府との闘いと結びつけることだ。
 沖縄民衆とともに、福田政権を追い込み、米軍再編―その元凶である日米安保同盟を打ち破ろう!
(11月10日記 I)

地方からの報告 …………………………………………………(16)
秋田県民の犠牲の上での
秋田わか杉国体!

野添憲治

「聖域なき改革」の裏で、
巨額の国体関係予算

 9月29日から10月9日まで開催された」秋田わか杉国体」という祭典が終わった。国体が秋田県で開催することが決まったのは13年前の95年だから開催者たちはほっとしているだろうが、この間におこなわれた体育館建設投資、選手強化関係予算、県内各市町村で分散しておこなわれた開催関連費などに支出された巨大な県費がある。秋田県は全国的に見ても県財政事情の厳しいところで、県民の生活に必要な事業を中止したり、職員の給料を引き下げるなどを実施し、知事は「聖域なき改革」の必要性を力説している。だが、「国体を弾みに県内スポーツのレベルアップを図ろう」を合言葉に「国体での天皇杯(総合優勝獲得」を至上命題に、国体関係予算はふんだんに注ぎ込んできた。
 国体は開催都道府県が優勝か準優勝するのが定番となっているが、秋田県は天皇杯と皇后杯(女子優勝)を初めて獲得した。9日の国体閉式が終わって他県選手が退場した後の県営陸上競技場(秋田市)の片隅に県選手団が集まり、テレビに向かって天皇杯と皇后杯を選手が高々と掲げたなかで、「天皇杯は県にとって大変な誇りだ。われわれは自信を持ってさらに飛躍することが、県の方向付けだ」と、知事が声を張り上げて叫んだ。その後に選手らが胴上げする様子をテレビは放映していた。しかし、国体の頑張りが県内スポーツのレベルアップになると関係者は意気込むが、その道筋や方向性が描かれている訳ではない。また、天皇杯や皇后杯を獲得したことが、これからの県政に飛躍する方向をつけたと言うが、具体的には何も見えてこない。むしろ「国体における経済効果は何十億円」と県では何度も発表していたが、終わってみると何も手元に残らなかったという声が方々から聞こえてくる。

使い捨てされる
テクニカルアドバイザー

 過去の国体開催県をみてみると、成績が国体の年だけぐんと上がり、翌年からまた下がり続けているが、秋田県も同じ方向をたどるだろう。というのは、他県と同じ方法を取って成績を上げたのだからだ。
 県選手団の中核になったのが、県体協所属の「テクニカルアドバイザー」と呼ばれる選手四六人である。大学で高い実績を上げた選手を県体協が秋田県に招いた。三年前から県はテクニカルアドバイザーの人件費を、競技力向上対策費として全額を負担してきた。彼らは団体での天皇杯獲得を至上命題に、トップレベル強化のために、選ばれた選手たちを指導し、自分たちも県選手の一人として出場した。これが天皇杯の獲得に大きな力になったが、今後もこの人たちが県内で指導するわけではない。
アドバイザーたちの契約は、今年度末で切れる。彼らは県出身者が28人で、後は県外出身者だが、契約が切れた後の就職先はまだ決まっていないという。過去の国体開催県を見ると、有力選手たちを教員に採用して就職させたところが多いという。契約が切れたからはい首というのは、少しひどすぎる。
 だが、秋田県は他県のように、教育に採用というのは難しい。少子化などで採用数の抑制が続いている秋田県では、昨年の教育採用試験(小中高)の倍率が過去最高の20・4倍へと上昇しているので、運動選手が割り込む余裕はない。民間の雇用情勢も低迷しているほか、運動選手を受け入れる県内企業はごく一部にすぎない。県内スポーツのレベルアップを図りたいところだが、その原動力となったテクニカルアドバイザーに去られると、イベントの時だけの強さに終わってしまうだろう。天皇杯獲得を至上命題に走ってきたため、このようになっているのだ。

国体優勝という成果は、
純銀製の祝杯のみとは

 中小企業を中心に閉塞感が漂う秋田県経済界には、企業チームが少ない。その中でも秋田銀行バスケットボール部が中核となったバスケットボール成年女子の県勢は51年ぶりの優勝だった。よく頑張ったと思うが、それにしても県の支援は大きい。県体協を通じて県が充ててきた強化費は03年度に年間4億円を超え、国体開催年の今年度は7億3000万円になった。合宿、遠征のほか、トレーナーの手当も含まれている。勝て、勝てとこれほどの巨費を注ぎ込み、もし勝てなかったらどうなっていただろうか。しかもこの強化費は大会が終わったので、あとはでない。大金で育てられた選手たちは資金がなくなり、今後はどのようになっていくのだろうか。
 また、国体に向けて芝を張るなどの整備されたグランド・球技場・陸上競技場などは、国体に出場しないチームには使用させなかった。成績や順位とは関係なく、気軽に楽しめて健康を維持できる地域スポーツが排除されたのだ。しかも、競技力向上対策として13年間に、45億円を注ぎ込んだ。その他の関連予算を入れると、百億円を超えると試算されている。なお、新たに作られた施設の維持管理費が今後も長く続く。知事の声がかりで展開された国体優勝という成果は、純銀製の二つの祝杯だったとは、なんとなく腹にすえかねる。


●皆さんの意識を辺野古に集中してください。
生態系にダメージを与える環境調査
10/17「辺野古浜通信-58」
辺野古では、機材の再設置に向けた沖縄防衛局の動きが再開しました。
> わたし達は、早朝より、浜に集まり、警戒を続けています。 県民大会で多くの人の声が結集され、さも沖縄の声が届き始めているような錯覚を覚えるかもしれませんが、現実はここにあります。
恒常的な殺掠のための訓練、環境の破壊、心の破壊、金、搾取、暴力、 貧困の辺野古に集まってください。
  みなさんの中から人を送り込んでください。
 たとえ海に出ることが出来なくても、潜ること、船を漕ぐことが無くとも、陸上の座りこみに人を結集させてください。 陸上でも成すべきことは、たくさんあります。
 わたし達はこれ以上、この海を傷つけたくはありません。
  仲間が暴力に晒されることも、作業ダイバーや雇われた人々が暴力をふるうところまで追い込まれることも、わたし達が何もしないことで、出来てしまった基地から世界中の人々が殺されることも絶対に認めることは出来ません。
 人がいることでそれを止めることができます。
あたながいることで止めることができます。
どうか辺野古へ集まってください。
今日は、午前中、作業船団はパッシブソナーの設置を強行しようとしました。
わたし達は、船にしがみつき、海底に潜ってしがみつき、これを止めました。
明日以降どのような形と人数で作業を強行してくるか分かりませんが、 沖縄防衛局が作業員たちに対しての監視と締め付けを強化したなら ば、 何人ものダイバーを投入して来るものと思われます。
また、人々やマスコミの目がなければ。暴力行為は今よりもさらにエス カレートします。
皆さんの意識を辺野古に集中してください。   辺野古浜集会より

10/18 辺野古からの緊急情報(随時更新)
 予測通り今日は朝5:00からチャーター船4隻が辺野古漁港から出港しています。
パッシブソナーを積んでいた船だと思われます。何度もお知らせしていますが、日の出前の作業はジュゴンへの影響が心配されます。生態系に一番ダメージを与え続けている環境調査。それが金に目がくらんだ新基地建設推進の実像です。


この通信は辺野古現地よりのいくつかのメールから編集しています

 第84号(2007年11月号)新テロ特措法案を許すな! 沖縄代表団が撤回要請 地方から 沖縄・名護 辺野古通信