第84号(2007年11月号)大連立許すな!福田政権打倒へ! 関生裁判、高裁判決 判決への抗議声明

大連立許すな!
福田政権打倒へ!


 12日、日本の株価が今年最安値に急下落し、世界を米サブプライム(低所得者向け住宅ローンの破綻)問題による同時株安の激震が走った。この時、福田自公政権は、この世界的金融危機の震源地であり、破綻と衰退の途上にある米国ブッシュ政権の対テロ侵略戦争に無料で給油し続ける新テロ特措法を衆院特別委で強行採決した。13日には、衆院本会議で強行採決し、新法は野党が多数を占める参院を舞台とした攻防に移る。
 この暴挙は、15日よりの福田の初訪米、ブッシュとの日米首脳会談への手土産である。


 こうして、福田・小沢の党首会談による大連立協議に大揺れし、小沢の「プッツン」辞意・留任のどたばた劇で収束した政局は、一転、延長臨時国会の最大の焦点―新テロ特措法をめぐって一気に流動化してきた。
小沢の有権者への裏切りといえる大失態で、参院選以来の民主党攻勢の機先を制することに成功した狡猾・福田首相は、「これも政治だ」とフッフッと笑いをかみ殺し、ここぞとばかりに採決強行の攻勢に転じたのである。参院で新法が採決されず審議未了―廃案になった場合、また参院で否決後に衆院再議決しこれに対する参院で福田首相の問責決議が可決した場合、いずれも解散に踏み切る可能性もちらつかせてのことである。
 この背後には、米国からの強い圧力がある。1日には、ゲイツ米国防長官が来日し、自衛隊の給油活動の早期再開、「思いやり予算」実行、米軍再編-沖縄新基地建設推進を強く促した。福田政権は、これに忠犬よろしく「最大限の努力」を約束した。ブッシュとの会談では、この約束の実行を、「日米同盟の安定こそ国益」と誓うだろう。


 新テロ特措法は、イラク・アフガンで破綻深める米産軍複合体の利益を代弁する米帝国の先制攻撃戦争への参加であり、わが国憲法の禁じる集団的自衛権の行使以外の何者でもない。(本紙2頁関連記事を参照)
 なお、守屋前事務次官と逮捕された武器商社・山田洋行の宮崎元専務との接待漬け・汚職疑惑は、給油問題の偽装とともに、防衛省の米軍再編・次期輸送機CXエンジンをめぐる軍事利権にからむ、アメリカ、防衛省・防衛族議員に関わる防衛疑惑の根の深い問題として明らかになりつつある。元防衛大臣をはじめ自民党中枢部に及ぶこの防衛疑惑は、事実が明らかになれば、福田自民党政権も吹き飛ぶような大きな問題である。近く、参院において守屋前事務次官の証人喚問が始まる。この問題をトカゲの尻尾切りで葬り去ることを許さず、徹底追及し、ここを突破口に、世論を喚起し、参院で新テロ特措法を廃案に追い込もう!

    
 「大連立」騒動に透けて見えてくる問題は、多国籍型企業・銀行を中心とする日本金融独占資本の利益・政治代理人である自民党による長期独裁政治の上からの自己瓦解の危機の深刻さ、その崩壊速度の早さである。与党の統治能力失墜という、いわば政治的「司令塔」なき過渡期の状況といえる。これを「国難と憂え」て、あわよくば「大連立」構想で、消費税、自衛隊海外派兵のための恒久法、改憲までを強力に推進する「新体制」を確立しようとしたのが、米日支配層からするナベツネ「読売」会長・中曽根元首相らを使っての画策の狙いである。ちなみに、8日、日本経団連の御手洗会長は記者クラブで会見し、小沢民主党代表が「大連立」に動いたことを、「高く評価していると」と述べている。
有権者の負託を裏切った小沢が自らの旧い自民党的質と政治手法を自己暴露したにもかかわらず、民主党が「大連立」構想を拒否し、党総体をして小沢の辞意撤回・留任(大連立破綻!)に押し留めたものは、7月参院選挙における格差―階級社会の深部から吹き上がった大衆的怒りと「自公政権ノ―、選挙で政権交代を」とする民意に他ならない。
 時代は、急テンポで、今や既成政党といわず全ての政治勢力を、おそらく戦後議会政治の瓦解と再生の展開において、空前にして大規模に、そのよって立つ思想・政治・運動戦略をふるいにかけての大再編期に入った。わたしたちはこの好機をつかみ、自民党長期独裁政権を打倒し、働くものや貧困にあえぐ弱者のための「もう一つの日本」のビジョンと政策、運動戦略を鮮明にし、大きな人民的政治の流れへの共同を作り出すことを急がねばならない。
 米国の戦争への給油より、貧困の克服、弱者の生活・減税・医療を!
 福田自公政権のトドメを刺す大衆行動の前進に全力をあげよう!

(11月12日記 A)



関生裁判10・31大阪高裁判決
武 建一委員長への実刑判決を阻止!
 10月31日、大阪高等裁判所が、一連の連帯労組「関西地区生コン支部事件」の裁判で、立て続けに2つの判決を下した。
 特に、1審で両事件ともに極めて不当な実刑判決を受けた関生支部・武委員長については、1審判決を破棄し、大谷・旭光事件で懲役2年・執行猶予5年、贈賄事件で懲役1年6ヶ月・執行猶予3年の判決が出された。10・31高裁判決は、両事件ともに関生支部側の主張は認められず(事実認定は変わらず)、戦後労働運動史上においてもかってない重罰の不当な内容である。しかし、武委員長に対する実刑を阻止し、執行猶予となったことは、今後の生コン業界、関生支部をはじめ関西・全国の労働運動、社会運動にとって大きな意義がある。これは、不屈に闘う関生の仲間たちはいうに及ばす、関西を中心に全国の闘う労働者たちが力を合わせてきた「反弾圧」運動の成果である。
 関西生コン支部への第5次にわたる国策弾圧は、中小企業と労働組合が結束して大企業と闘う産業政策・生産協同組合の関生労働運動がもつ、資本主義の根幹にふれる闘いの質とこれが全国に広がることに対する、独占資本と国家の階級的危機感に根ざすものである。それは同時に、資本の新自由主義政策による格差社会(新たな階級社会だ!)の進行のなかで、貧困と生活苦にあえぐ労働者民衆の反転攻勢の始まりが、この貧困・生活苦の根源にある資本主義体制の根本を問う事態の到来に備えた、闘う労組への「みせしめ」であり、抵抗する全労働者制圧の先取り攻撃と見なければならない。
 ここにこそ、関生支部の闘いと権力弾圧との攻防の労働者的、階級的本質がある。
 関生支部は、不当な有罪判決に抗議し、新たな闘いの決意を明らかにしている。ますますこの運動を発展させ、国策弾圧を労働者運動の発展ではね返し、全産業・全地域から日本労働運動の再生と反転攻勢の狼煙を挙げよう!(3頁「抗議声明」参照)

<大谷・旭光事件>
武建一執行委員長 原審破棄 懲役2年(未決勾留期間中170日算入)
執行猶予5年(1審=懲役1年8ヶ月 実刑 未決勾留期間中170日算入)
片山好史執行委員 控訴棄却 (1審=懲役1年8ヶ月 執行猶予5年)
武谷新吾執行委員 控訴棄却 (1審=懲役1年4ヶ月 執行猶予4年)
西山直洋執行委員 控訴棄却 (1審=懲役1年4ヶ月 執行猶予4年)
福島聡執行委員  控訴棄却 (1審=懲役8ヶ月 執行猶予4年)

<贈賄事件>
武建一執行委員長 原審破棄 懲役1年6ヶ月 執行猶予3年(1審=懲役10ヶ月 実刑)


控訴審判決に抗議する声明

2007年10月31日

全日本建設運輸連帯労働組合中央執行委員長 長谷川 武久
全日本建設運輸連帯労働組合近畿地方本部執行委員長 戸田 ひさよし
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部執行委員長 武 建一

 本日10月31日、大阪高等裁判所が、一連の「関西地区生コン支部事件」の裁判で、立て続けに2つの判決を出した。
1件は大谷・旭光事件。これは、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、関生支部)が、大谷生コンと旭光コンクリートという大阪府下の生コン会社2社に対して、関生支部との約束を守って、生コン業界の立て直しのために中小企業協同組合に加盟するよう働きかけた行動が、「強要未遂」「威力業務妨害」にあたるとされた事件である。
 一審の大阪地裁は今年1月22日、警察・検察の主張を丸飲みした判断をもとに、関生支部の武委員長に対して懲役1年8カ月の実刑判決、他の組合役員に対しても懲役8カ月〜1年8カ月で執行猶予4〜5年という、極めて重い政治判決を下していた。
 大阪高裁の本日の控訴審判決は、この不当な一審判決をそのまま踏襲する判断を示し、武委員長ら全員を有罪とした。ただし、大谷生コンがこの事件を理由に損害賠償を請求した民事裁判の判決を受けて(裁判所が損害として認めたのは大谷生コンの請求額の10分の1)、関生支部がこの民事判決に控訴しつつも、とりあえず判決が認めた損害額をすでに支払っていることなどを踏まえて、大阪高裁は、武委員長の実刑判決を破棄して懲役2年、執行猶予5年の判決を下し、他の組合役員については控訴を棄却した。
もう1件は、武委員長に対する、いわれなき贈賄容疑事件の控訴審判決である。(中略)
この事件でも大阪高裁は、一審判決を踏襲した判断を示した。ただ、一審が懲役10カ月の実刑判決だったことについては、量刑が重すぎるとして破棄し、懲役1年6カ月、執行猶予3年という判決に変更した。
 これら判決は予め予想されたものだとはいえ、われわれは強い怒りを禁じ得ない。
 控訴審で組合側は、生コン業界の安定、すなわち、ゼネコンのダンピング圧力とセメントの拡販政策と対抗するために中小企業協同組合強化をめざす関生支部の活動は、産業別労働組合として極めて当然の、正当な組合活動であることを立証しようとして、新たな証人調べを求めた。しかし、大阪高裁は、証拠調べを全く行わず、1回で公判を打ち切り、判決を下すに至ったからである。
 有罪判決先ずありきという姿勢が明からさまである。
 われわれは一審判決について、「本来は社会正義実現のために公正であるべき裁判所が、その立場を自ら放棄して、警察・検察の労働組合弾圧の意図を代弁することに終始した、お粗末な政治的作文というほかない」と強く批判したが、本日の2つの控訴審判決に対しても同じ見解を示さざるをえない。
 産業のあり方や政策は大企業と政治権力が決めるのであって、労働組合ごときが口を差し挟むな。性懲りもなく大資本にモノ申すなどとは許し難い−−。警察は、検察は、そして裁判所は、そう言いたいのであろう。
 しかし、われわれは決してひるむことはない。中小企業と労働者が生きる道は、われわれが、そして、生コン関連の労働組合の仲間たちが、こころある多くの中小企業家とともに、この数十年の活動で切り開いてきた政策運動にしかないことは明らかである。
 われわれは、本日の不当判決に対して運動の正当性を広く社会に訴えるとともに、これまで築いてきた運動をさらに大きく発展させるために、一連の権力弾圧との闘いを支援して下さる全てのみなさま方とともにいっそう努力する決意を明らかにしたい。
 なお、控訴審判決に対する詳細な批判は、判決文の到着を待って、後日明らかにする予定である。以上。
(注―紙面の都合上、編集部の責任で一部を略しています)


 第84号(2007年11月号)大連立許すな!福田政権打倒へ! 関生裁判、高裁判決 判決への抗議声明