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第9号 |
2003/6/1 |
時代は既に「有事」である
有事三法案とりそな公的資金注入に抗議して、たたかいを前進させよう!
有事三法案が、与党(自民・公明・保守)、野党(民主・自由)の大政翼賛のもとで、参議院通過の最終局面に入った。イラク戦争・占領支配の後ろ支えであるこの三法案に、あくまでも抗議し続けなければならない。韓国の国会議員三0名のアピール−−「有事法制が過去のアジア諸国家と国民たちに大きな痛みを与えた不幸な戦争の歴史を再演する可能性がある」に、応えなければならない。
アフガン戦争・イラク戦争で火蓋を切られたブッシュ・ドクトリンの「二一世紀型戦争」は、いまや、ユーラシア大陸の西端と東端−−イラク・中東と朝鮮・東アジア−−の二大世界戦略焦点を結びつけながら、わたしたちの有事周辺事態と化しつつある。
世界いたるところでの史上空前のイラク反戦・反占領運動の台頭、イスラム文明圏の反米・抵抗運動の拡大に伍して、わたしたちも有事法制下の日本における反核・反戦・反安保・反基地・反軍の「五反」活動を、沖縄とヤマトとを連ねて前進させなければならない。
この六月中には、瀬戸内寂聴・鶴見俊輔、いいだもも・ダグラス・ラミス・小田実・小西誠等五0数名の発起のもとに、「兵士と共に反戦を−−米兵・自衛官人権ホットライン」の市民運動が、「不殺生−−殺すな・殺されるな・殺させるな」「違法・非道・不当なブッシュ・小泉の戦争に対して良心的軍務拒否を」を二大スローガンとして、発足する準備が進められている。発起人たちの準備に協力して全国各地に、イラク戦争のドミノ倒しに反対し、朝鮮半島の戦争挑発に反対する、米軍基地GIならびに自衛隊兵士とその家族たちの身の上相談に乗る人権ホットラインを組織しようではないか。それをもって憲法第九条改悪を阻止し、ブッシュ・小泉の「二一世紀型戦争」ならびに朝鮮半島有事化の発動をくい止める反戦・反安保大衆運動の幅広い展開への反軍的起動力を創発しよう。
りそなグループの銀行危機の救済に、二兆円の公的資金、つまりわたしたちの税金が注入された。小泉「構造改革」の経済的破綻の現れであり、金融システムへの不安感から日経平均株価は八000円の大台を割りこみ、国債市場の長期金利の低下も、十年債0・五%台、二十年債の0・九%台と著しいものがある。政府・日銀による金融の量的緩和の“禁じ手”は、三0兆円の上限へと新しい局面への増強発動を余儀なくされてきている。
不良債権による銀行危機を繰り延べ、先送りしようとする小泉・竹中の金融・財政操作(三月危機の救済を見られよ)それ自体が、不良債権の累積、景気低迷、銀行の自己資金割れ、デフレ・スパイラルの悪循環化をもたらしているのだ。そして、そのような経済的悪循環の世界的背景には、アフガン・イラク戦争・占領支配の泥沼化、イラク戦費のかさあげによって深刻に加速されつつあるアメリカ帝国経済の衰退、とりわけドル安・株安下のUSA中心の世界資金循環の途絶・機能不全・逆流があると見なければならない。軍事・政治アンポでもあれば、経済・金融アンポでもある米日安保の「漂流」「恐怖の同盟強化」下、現代日本資本主義は他のどこよりもパクス・アメリカーナの没落過程の開始に“運命共同体”的に引きずりこまれつつあるのである。
ITバブル・株バブルがはじけるとともに、永久に消失してしまった「ニュー・エコノミー」崩壊によって、わが「平成不況」を皮切りとする一九九一年世界大不況へとついに合流してしまったUSA経済は、イラク戦費のかさあげを介して、国家財政・経常収支・企業会計・家計の「四つの赤字」化によるデフレ・スパイラルの発動、そしてドル本位変動相場制の根本的動揺へと明らかに向かいつつある。
二0世紀における二九年アメリカ大恐慌・三一年再建金本位制崩壊・三0年代世界大不況の「非常時」の発現とはまた歴史的タイプを異にする、「二一世紀型恐慌」の今日的発現の開始である。ドル・核世界帝国のヘゲモニー危機のもとで、アフガン・イラク戦争・占領支配の「二一世紀型戦争」の低強度戦争事態(ロー・インテンシティー・ウォーフェア)の不正常な進展と、「二一世紀型恐慌」は次第に接近・重合・合流してゆきながら、ドル信認の動揺からドル本位変動相場制の世界史的崩壊へと劇的に向かいつつあると見定めなければならない。
今日のわたしたちは、吉と出るか凶と出るか、人類文明史においても稀有とも言うべき千載一遇の機会に際会しつつあるのであり、短期・当面の抜き差しならない政治的措置の必要を迫られる中で、同時に長期・マクロなプログラム・構想・展望を手作りする必要にも切実に迫られていると言える。
ポスト・モダーンをも再帰的に組み込んでいるこのドル・核帝国機軸のハイ・モダーニティーの絶頂において、世界的危機に叩き込まれつつあるわたしたちはグローバルな主体再生・創発の大胎動のなかで、政治・社会・文化的自立のための創発を実践上も理論上も決定的に問われているのである。相互受動性から相互能動性へと転位する途を共同して発見・発明しなければならない。 (M)